AR航海情報表示システムがアップグレード!水深境界情報を色別表示して操船サポート
AR航海情報表示システムがアップグレードされ、安全水深の境界情報が色別に表示されるようになりました。株式会社商船三井と古野電気株式会社が共に開発した本システムは、AR技術を活用することで操船者が注意すべき箇所が一目でわかるように強化され、安全に航行できるよう操船をサポートします。
AR航海情報表示システムは、AR技術を活用して航海情報とカメラのリアルタイム映像を重ねて表示させることで、視覚的に操船や航海中の乗組員の見張りをサポートしています。従来は浅瀬を表示するには手動での設定が必要でしたが、アップグレードされたことで、安全に航行できる水深とそうでない水深の境界線を常時自動で色別表示できるようになりました。
ユーザーが危険度をより感知しやすい色(赤・黄・橙)での設定が可能で、操船者は一目で注意すべき箇所がわかるようになります。
商船三井グループが運行する大型原油タンカー24隻への本システムの搭載は既に完了しており、同社は今後さらに搭載船を拡大していく予定です。本ARシステムを含め、海上交通の安全に寄与する製品の改良・開発を積極的に行っていくとのことで、今後の展開に注目が集まっています。
ARGO編集部のひとこと
メルセデス・ベンツの新車「Sクラス」など、自動車のカーナビにAR技術を活用し、フロントガラス上に情報を表示させる事例は昨今増加していますが、航行におけるAR技術の活用は非常に珍しいです。AR技術を活用することで情報の視覚化がおこなわれ、情報の処理がしやすくなるという利点があり、今後は陸上のみならず海上の交通安全においてもARを活用した施策は増加していくことが予想されます。