「AR匠RESIDENCE」でMRによる点検業務効率化!長谷工グループとアウトソーシングテクノロジーによる共同開発
「AR匠RESIDENCE(エーアールタクミレジデンス)」はマンションのタイル打診調査に国内で初めてMR(複合現実)が活用されたMRソリューションです(日本マイクロソフト調べ)。「HoloLens2」を装着してマンションのタイル打診調査に用いることで点検記録を行うことができます。
【「AR匠RESIDENCE」とは】
「AR匠RESIDENCE」は長谷工コーポレーションと株式会社アウトソーシングテクノロジーが、日本マイクロソフト株式会社の協力を得て共同開発したMRソリューションです。「AR匠RESIDENCE」を活用する外壁タイル打診診断は、検査者(現場の作業員)が「HoloLens2」(マイクロソフトノヘッドマウントディスプレイ)を装着して点検記録を行います。3社は本ソリューションの展開を皮切りに、連携して不動産・建設業界における最先端デジタル技術を活用した生産性改革・働き方改革を推進していくとのことです。
【開発の背景】
マンションの外壁は劣化等による剥落などのリスクから定期的なメンテナンスが必要で、全面打診調査が義務付けられています。マンションストックが拡大し続ける状況で、それらのメンテナンスに対する労働不足や、新型コロナウイルス感染症拡大防止などの課題がありました。そのような観点から居住者への安全・安心に繋がるサービスを提供するため、長谷工グループは建物診断時のファーストラインワーカー(現場で働く人々)を極力減らすことができるMR技術をマンションの建物診断の現場に導入することにしました。
【従来の打診検査と「AR匠RESIDENCE」打診検査の比較】
長谷工が行った実証実験(2020年6月)の結果によれば、「AR匠RESIDENCE」を活用することで、従来の業務に比べて、全体業務の約30%を削減することに成功しています。現地での建物診断の作業量はほぼ同じでしたが、報告書作成業務に関してはほぼ半減しました。
従来の打診検査
- ・検査人数 2名1組
- ・検査方法 1名が打診検査を実施、もう1名が記録と写真撮影
- ・記録内容 外壁のひび割れ
- ・浮き等
- ・記録方法 検査用紙に手書き
- ・報告書の作成 結果を報告書用に清書
- ・集計
「AR匠RESIDENCE」打診検査
- ・検査人数 1名
- ・検査方法 1名でHoloLens2を装着し、打診検査をしながら検査項目を入力
- ・記録内容 外壁のひび割れ
- ・浮き等
- ・記録方法 「Microsoft Azure」に保存
- ・報告書の作成 自動生成
「AR匠RESIDENCE」活用イメージ
「AR匠RESIDENCE」は長谷工リフォームにより2020年7月関東エリアの建物診断に導入され、全国へと順次活用される予定。またアウトソーシングテクノロジーは年内に「AR匠RESIDENCE」のトライアルと販売受付を他のリフォーム・建設会社を対象に開始するとのこと。
ARGO編集部のひとこと
ARやMRなどの最先端技術は建設・不動産業界のみならず、設計や設備保全ソリューションなどさまざまな場面で活用されています。安心・安全の確保と同時に効率の良く作業でき、これからARやMRがより一層活用されることが期待されます。