ARとAIを活用し感情を可視化!?オーストラリアの大学によるデバイス開発
AR(拡張現実)とAI(人工知能)を活用し、人の感情を可視化するプロトタイプのデバイス「Neo-Noumena」が開発されました。
「Neo-Noumena」は、オーストラリアのモナシュ大学とRMIT(ロイヤルメルボルン工科大学)が共同で開発したもので、ブレインコンピュータインターフェースを使って感情を読み取り、複合現実ヘッドマウントディスプレイを通して視覚的に感情をデジタル表示する神経応答システムとなっています。
※ブレインコンピュータインターフェースとは:コンピュータを脳とつなげることで、人間の活動を補助したり、能力を高めたりする仕組み。「Neo-Noumena」の開発の一環として同技術を実際に使用した参加者は、パートナーの感情をより深く理解することができ、より適切な返答ができました。さらに、参加者の多くが、自分自身の感情を整える能力が非常に高まったと感じています。
同研究チームの教授ミューラーさんは「今現在、日常の中で対面の感情的なコミュニケーションをサポートする研究は不足しています。AR、AI、MR(複合現実)、EEG(脳波)などの先端技術の活用によって、リアルタイムで感情を読み取り、物理的空間にデジタル表示することができます。」と語っており、この技術は感情コミュニケーションにおける私たちの能力を広げる可能性があるとコメントしています。同時に、リハビリ患者の支援や、自閉症の人への治療のツールとして活用できる可能性も示唆しており、今後も開発が進められていくようです。
ARGO編集部のひとこと
AR技術が感情コミュニケーションにおいて活用される事例として、自閉症の子供たちを支援するための「Superpower Glass」がありますが、今現在そういった活用例は非常に少ないと言えます。
本研究は新型コロナウイルス状況下における、精神的不調との葛藤の中で開発されました。ソーシャルディスタンスは感染から健康を守るために必要ですが、人々のメンタルや人間関係に大きな影響を与えました。様々な場面で活用され社会を豊かにしているARですが、精神衛生の面でも力を発揮することが期待されます。