ARデバイスGoogle Glassを活用し自閉症の子どもたちを支援 スタンフォード大学推進プロジェクト「Superpower Glass」
米スタンフォード大学は、自閉症の子どもたちに行動療法プログラムを施す「Superpower Glass」プロジェクトにて、スマートグラス「Google Glass」を活用しています。
出典:GIGAZINE
「Superpower Glass」とは、Google Glassと顔認識機能を備えたスマートフォンアプリを併用し、自閉症の子どもたちのコミュニケーション能力を伸ばすプロジェクトです。Google Glassのアウトカメラを用いて、子どもと家族のコミュニケーションを記録し、アルゴリズムによって自動検出された顔から感情を分析。その結果をGoogle Glassのディスプレイに絵文字または音声メッセージで受け取ることができます。現在認識される感情は「幸福」「怒り」「驚き」「悲しみ」「恐怖」「嫌悪」「軽蔑」の7つです。
感情を判別する以外にも、子どもがGoogle Glassに慣れるためのゲームや、子どもの行動を録画する機能を搭載。特に録画機能に関しては、保護者は子どもとうまく交流できなかった際、子どもが何を見ていたのか、何を感じ取っていたのかがわかり、次のコミュニケーションに活かせるとのことです。
同プロジェクトは週に数回、20分間程度実施されています。実験前後に子どもたちに感情を識別するテストを行ったところ、実験前は全40問のうち平均点数は28.45点だったのに対し、実験後は38点を記録をするなど大きな改善が見られました。
プロジェクトチームは「何よりも重要なのは、Google Glassなどのデバイスによって、家族が自分自身の治療や家族のあり方をコントロールできるようになることです。Superpower Glassを通じて、家族は前に進むべき道を見出すことができるでしょう」とコメントしています。
ARGO編集部のひとこと
自閉症の子どもたちは他者への関心が薄いことから、コミュニケーションを取りにくい傾向があります。相手の気持ちや状況といったあいまいなことを理解するのが苦手なため、リアルタイムで感情を判別できるツールがあれば、会話もスムーズに行えそうですね。Google Glassの普及による同プロジェクトの実用化が望まれます。