ARでクモ恐怖症の治療をするアプリ「Phobys」開発!暴露療法で恐怖心と向き合う
ARでクモ恐怖症の治療をするアプリ「Phobys」がスイスのバーゼル大学の研究者たちによって開発されました。ARによってバーチャルなクモをリアルに出現させることができる本アプリは、シミュレートされた環境で、自身を恐怖の対象に晒して恐怖心と向き合うという心理的治療方法「暴露療法」に基づいて開発されました。
ARでクモ恐怖症の治療をするアプリ「Phobys」
本アプリではARのクモが出現する距離を10段階に変更することができ、ユーザーは対象を観察しながら少しずつ自分に近づけていくことで恐怖心を克服することが可能になります。最終的には自身の身体の上にクモを這わせるような体験も可能です。徐々にリアルなクモに慣れていくことで、ユーザーは恐怖や苦痛を感じなくて済むようになります。
本アプリにはクモに対する恐怖を測定する無料のテストも搭載されており、課金することで10レベル全てのロックを解除することも可能です。
クモに対する恐怖が大幅に減少
本アプリの開発・リリースにあたってスイスのバーゼル大学研究チームは臨床実験をおこないました。本実験は2週間にわたり、18~40歳のクモ恐怖症の66人を本アプリを利用するグループと利用しないグループの2つにわけ、実際のクモに恐怖心が許す限り近づいていくテストを受けてもらうというものです。本アプリを利用したグループでは、クモに対する恐怖が大幅に減少したという結果が出ています。
対象をリアルに再現することができるAR技術。「暴露療法」というこれまでにない事例に導入することで、ARを活用した新規事業の創出など、さらなる可能性が期待されます。
ARGO編集部のひとこと
ARは導入することで臨場感のあるリッチな演出を施せるため、顧客満足度の向上が期待でき、現在では観光やゲーム、アートやキャンペーンなど様々な分野で導入されています。また、リアルに出現させた対象を観察でき、情報を視覚化してわかりやすく伝えられるため、教育分野における導入事例も増加しています。
INFO
ARアプリ「Phovys」
【ストアURL】 App Store(iOS) / Google Play(Android)