聴覚障害者用ARグラスで文章を可視化!音声をリアルタイムでテキスト変換できるARグラスを発表
ARで音声をテキストにリアルタイム変換し、文章が視覚化される聴覚障害者向けのARグラスが発表されました。ARとAIを組み合わせた企業向けサービスを展開する「亮亮視野科技(LLVision Technology)」が発表した本ARグラスは、会話の際に同時進行で音声を文章化してくれるというもので、聴覚障害者の需要に応えるソリューションとして、バリアフリーで交流できるプラットフォームを実現しています。
ARで聴覚障害者の悩み解消
AR関連の光学及びディスプレイモジュールを開発・製造する亮亮視野科技は、事前調査で聴覚障害者などのユーザーが持つ大量のデータやニーズを把握し、ユーザーの悩みを解消するべく本ソリューションを開発しました。聴覚障害者は健常者との会話で読唇法をおこなう際、相手の口元をずっと注視し続けなければなりませんが、ARを活用して音声をテキストに変換することで、そのような会話間の緊張状態を解消することができます。
就業環境においては、これまで対応が難しかった対面でない場合のコミュニケーションも、ARグラスを活用することで対応することが可能になります。
先端技術を活用した合理的ソリューション
本ARグラスは、AIの重要な応用分野である神経言語プログラミング(NLP)の進化によって、高い正確度での音声のリアルタイム語義認識が可能になり、5G通信やクラウド処理、エッジ処理を行うAIチップなどの先端技術によって、双方向へ同時にデータ通信を行うことができるようになりました。本ARグラスの視野角や透光性は良好で、フレームの太いメガネをかけているのと大差ないほどの感覚で利用することが可能です。
方向や距離の異なる複数人との会話でもテキストの表示はスムーズに行われ、音声がテキストに変換されるまでは3〜5文字分の遅れにとどまっているとのこと。ARグラスに表示される文字もはっきりしています。
同社は今後、本ARグラスの産業における実用化を模索しているとのことです。本ARグラスを皮切りに、ARを活用したバリアフリーの発展が期待されます。
ARGO編集部のひとこと
AR技術を活用した情報の視覚化によって、情報の処理がしやすくなるというメリットがあり、土木・建築分野における遠隔作業サポートや交通分野における運転サポート、その他にもマップ・ナビゲーションや観光・旅行など様々な分野で導入されています。コミュニケーションにおけるAR技術の活用は現在も開発が続けられており、今後加速化的に普及することが予想されます。