大阪電気通信大学がAR落語を開発 伝統芸能を身近に体験できる
大阪電気通信大学はウェブARを活用したAR落語をリリースしました。スマホから該当のURLへアクセスすると、デフォルメ化した落語家の桂米紫師匠が出現し、古典落語演目「狸の賽(たぬきのさい)」を聴くことができます。本取り組みは同大学と株式会社スケルトンクルースタジオによる産学連携プロジェクトによって実施されました。
AR落語の制作にあたり、2020年夏に桂米紫師匠を大学へ招き、モーションキャプチャー用スーツを着用して3演目を撮影。口や眉の動きなどは表情は別カメラで撮影し、センサー付きのグローブで手指の細かな動きまでデータ化したとのこと。そのためAR落語は正面だけでなく、しぐさや表情をさまざまな角度から見ることが可能です。
【Rakugo AR/AR落語】
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大阪電気通信大学の学生さんと共同開発した産学連携『AR落語』プロジェクトが完成し、リリースされました!こちらのサイトでは、AR落語を体験することができます。 https://t.co/YWN4C88OZG#AR#京都#ゲーム開発#VR#落語#大阪電気通信大学#スケルトンクルースタジオ pic.twitter.com/VFiUOmQ7TP
同大学は国内外問わず普段落語を見ない層への興味喚起を狙うほか、日本文化をより身近に体験し、本物の寄席に観に行きたいと感じさせるなど、落語の一層の発展に寄与することを目指しています。今後は残る2つの演目のCG化に取り組み、2025年の国際博覧会(大阪・関西万博)に向けて英語字幕をつけて発表する予定です。
本プロジェクトに携わるナガタタケシ准教授は「上方落語が注目されるきっかけになればうれしい。最終的には色々な演目を販売できるコンテンツにしていきたい」と期待を寄せています。
ARGO編集部のひとこと
ARを導入することで自宅にいながら臨場感あふれるイベントを体験することが可能です。さらにSNSを用いることで若い世代にもアプローチできるため、本事例のような伝統芸能などを広めることに役立ちます。また誰でも手軽に楽しめることから新しいファンの獲得にもつながります。類似事例として、松竹によるAR歌舞伎が挙げられます。