ロレアルがAR企業モディフェイスを買収。美容業界に革新を起こす
2018年3月16日、フランスのクリシーに本部を置く世界最大の化粧品会社であるロレアル(L'Oréal)は、カナダのAR企業であるモディフェイス(ModiFace)を買収したことを発表しました。
モディフェイスは画面に映った自分の顔で化粧やヘアカラーを本物そっくりに試すことのできるAR技術を持っており、国際的にも化粧品関連におけるIT企業の開発リーダーとして認知されている企業です。今回の買収は、ロレアルのデジタルサービス加速戦略の一環としておこなわれます。
モディフェイスは11年前にトロントで設立した会社です。人々の肌質・肌色の特徴を診察するサービスや、高度な3Dバーチャルメークアップ技術などを発展させており、近年では、多くの主要化粧品ブランドにその技術が採用されています。
ロレアルのCDO、Lubomira Rochet(ルボミラ・ロチェット)氏は「私たちのデジタルサービスであるR&D(研究開発)の核になってくれるモディフェイスを迎えることはとてもわくわくすることだ。私たちロレアルとモディフェイスは美容産業における新しいページの開拓者になりたい。そして顧客に革新的なサービスと体験を提供したい」と答えています。
また、モディフェイスの創設者でCEOであるParham Aarabi(パラム・アーラビ)氏も、「ロレアルによるモディフェイスの企業買収は、前例のない規模での美容AR・AI技術の革新の機会であり、美容産業の発展をもたらすだろう。私たちとチームはロレアルの家族となり、共に未来に貢献できることが喜ばしい限りだ」とインタビューに答えました。
モディフェイスは今後、ロレアルのデジタルサービスファクトリーの一部となり、ブランドの新しいサービスの開発やデザインに貢献していくでしょう。
ARGO編集部のひとこと
買収によって、ファッション業界でのARの活躍が期待されます。バーチャルメイクが一般的に使える日も近いのではないでしょうか。
INFO
L'Oréal(ロレアル)
1909年の創業以来100年以上化粧品業界をリードしている。いくつものブランドを持っており、消費者のニーズに合わせた活動を展開する。また、皮膚病学や調剤の活動も盛んであり、その内容は多岐にわたる。
ModiFace(モディフェイス)
70人近いエンジニアや研究者を抱え、3次元バーチャル化粧のAR手法で定評がある。これまでに200本を超える研究論文を発表し、30以上の特許を保有するという。