ARで戦闘機用の防空壕「掩体(えんたい)」を再現 戦争遺跡を次世代へ繋げる試み
AR技術を用いて高知県南国市にある戦争遺跡「掩体(えんたい)」の当時の様子を再現する実験が2022年5月に行われました。掩体の前でスマホをかざすと、ARで掩体がどのように活用されていたのかを視覚的に理解することができます。
掩体とは第2次世界大戦中に使用された戦闘機用の防空壕です。掩体の前でスマホをかざすと、戦争時に格納されていた軍用機がAR表示され、敵の攻撃から飛行機を守る役割を果たしていたことがわかります。掩体は全部で7基あり、ARの実験が行われたのは国内最大級の大きさを誇る4号基です。
ARは掩体をより多くの人に知ってもらうために、戦争遺跡の保存などをおこなう団体が開発しました。福井正洋代表はARを活用するメリットについて「耐震補強などで掩体を改造する必要がないので保全という意味でもよいことだと思います」と話し、今後も技術開発を重ねていくとともに、戦争を後世へ語り継ぐ活動を続けるとしています。
ARGO編集部のひとこと
現実世界にバーチャルな視覚情報を重ねるARを活用することで、本事例のような建造物を傷つけることなく歴史を伝えられます。また低コストで制作できるのも特徴のひとつです。戦争資料を多くの人に残していくためにも、ARのさらなる活用が期待されます。