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「AR+VR治療支援システム」が誕生!子どもの不安と痛みを和らげる

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「AR・VRで、ひと本来が持っている『力』を引き出し、高める」ことを目指す医療XR企業の株式会社BiPSEE は、ARとVRを用いた子どもの治療に対する不安や痛みを和らげ、自己効力感を育むことを目的とした小児向けのAR+VR治療支援システム「BiPSEE(ビプシー)医療XR」を開発し、2019年4月より本格的なサービスを開始します。

「BiPSEE医療XR」の前身となる、2018年に開発された「BiPSEE歯科VR」ではVRのみを使用しており、ゴーグルをかけて治療を受けることで「緊張感や不安が和らいだ」「泣かなかった」など、子どもの治療に対する不安を和らげる効果が認められた一方で、バーチャル空間への高い没入感から、子どもが現実空間が見えない不安を訴えるとゴーグルを外すしかなかったそうです。また、治療が終わってもVRアニメを見続けたくなり、ゴーグルをなかなか外してくれないという現場オペレーション上の課題もありました。

その点、「BiPSEE医療XR」は、ARとVRを組み合わせた治療支援システムで、ゴーグルをかけて、治療室に入るときにはARで現実の風景に映像を組み合わせ、子供の姿勢が安定したところで、ボタンによってVRと切り替える。ARでもVRでもたくさんの海の生き物が動く様子を楽しめます。

また、自分の足で診療室に入り治療ベッドに横たわる現実空間が見えるからこそ、「これから治療を受けるぞ」という意識を持てる。これは、治療後の、「頑張って治療できた」という自己効力感や自己達成感を育むことにつながるといいます。

同社は同年の1月から、医療法人社団鉄医会ナビタスクリニック立川をはじめ、複数の都内医療機関で導入試験を実施。医療機関関係者および体験者からのフィードバックを反映してシステムの改良を加えてきました。体験者からは「緊張感・不安感が和らいだ。今後は注射の時などに使ってみたい」「治療の時に泣かなかった」などの肯定的な意見が多数寄せられており、4月からの本格的なサービス開始につながったとのことです。

今後サービスが拡大すれば、子どもたちの治療に対する意識が変わっていくかもしれません。

ARGO編集部のひとこと

デモムービーでは、診療室にいる医師の前からCGの泡が立ち昇り、見上げると海の生物が漂っているARの状態から、海の中にいるようなVRの状態へと移り変わっている様子がわかります。子どもの特性に合わせて、「周囲が一部見えるAR」や「周囲が完全に隠れるVR」をうまく使い分けられれば、診察に抵抗ある幼児たちにもスムーズな治療がおこなえるようになりそうですね。

INFO

関連リンク

  1. BiPSEE医療XR
  2. 株式会社BiPSEE 公式サイト
  3. 株式会社BiPSEE プレスリリース

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