ARで建機の故障診断をサポートするアプリ「Kubota Diagnostics」がリリース!故障時のダウンタイムを低減
ARを活用した建設機械の故障診断アプリを株式会社モンスター・ラボ、株式会社クボタが企画開発しました。ARと3Dモデルを組み合わせたガイダンスで故障時の診断フローをサポートし、建設機械のダウンタイムの短縮を目指したサービスエンジニア向けのスマートフォン用アプリケーションです。
本アプリは、ARと3Dモデルを組み合わせたガイダンスや建機が発するエラーコードや発生症状から故障箇所を特定する診断フローの実行で、建設機械の迅速かつ効率的な故障診断をサポートするアプリとして企画され、モンスター・ラボにより設計・デザイン・開発されました。
開発背景
建設機械の故障によるダウンタイムは稼働率の低下を引き起こし、ユーザーの収益低下に繋がります。建機を取り扱うディーラーのクボタは、故障時の診断を行うサービスエンジニアの経験やスキルにより、マニュアルではカバーできず本社へ問い合わせするなどユーザーのダウンタイムが長期化する問題を抱えていました。
本アプリを活用することで、サービスエンジニアの知識や経験に左右されない故障対応が可能となり、人材教育・人員確保の面での貢献に期待が寄せられています。また、デザインはモンスター・ラボのグループ会社のデザインコンサルティングファームA.C.O.が担当し、米国でも受け入れられやすいデザインとなったそうです。
機能・特長
本アプリには以下のような機能と特長があります。
・故障診断フロー
機械から発せられるエラーコードや不具合症状をアプリに入力すると、点検箇所・修理方法が示され、診断を効率化、迅速化します。サービスエンジニアの経験や知識に左右されない、一定レベルの故障診断を実施します。シンプルなフローで原因推測が可能となります。また、スマートフォンを建機にかざすことで3DモデルとARを通して該当箇所がハイライトされ、対象部品の特定も容易となります。
・最新情報の提供
製品情報や故障情報をリアルタイムにエンジニアに共有し、作業効率化や未熟練エンジニアの教育に役立てられます。
・診断レポートの作成・ログとフィードバックの蓄積
故障情報の収集で、最適な診断フロー整備と故障予知につなげます。
・UIデザインの工夫
読みやすい大きなテキスト・強いコントラストを用いたUIで片手でもタップしやすい大きめのボタン、素早く内容を理解できるピクトグラムの採用などで、現場での使用に最適化したUIを実現しています。
同社によると今後米国で運用・効果検証を行いながら、2021年以降日本を含む世界各地の市場へとサービスを展開予定だそうです。米国での実証実験をもとにデータの収集・分析を行い、精度向上・機能拡充をはかり世界各地のローカライズに取り組むとしています。
ARGO編集部のひとこと
建設・メンテナンス業界は、人材不足によりDX化が急速に進められている領域の一つです。サービスエンジニアなどの専門家による経験や知識もアプリに集約し、建機の問題や不具合をARや3Dモデルで「視える化(可視化)」し、対処方法をユーザーにわかりやすく伝えることで問い合わせや出戻りを減少させることにもつながり、全体の仕事効率の向上につなげます。
この他にもARGOでは建設・メンテナンス業界の悩みをARで解決する活用事例をご紹介しています。