ARで震災前の記憶を語り継ぐ。宮城県・大川区開催のバスツアーで震災前の様子を伝えるARアプリが活用
2019年11月9日(土)、東日本大震災により大きな被害を受けた宮城県石巻市大川地区にて、元住民たちがふるさとを巡るバスツアー「大川区思い出バス」が開催。ツアー内で、震災前の地域の様子を伝えるARイベントが実施されました。
出典:株式会社河北新報社
本イベントは旧大川小学校近くにて行われ、ARアプリをインストールしたタブレットを景色にかざすと、かつての町並みや人々の営みに関するエピソードが表示されました。アプリに登録された情報は約1000件。「大川地区『記憶の街』模型復元プロジェクト」を通して、住民たちからエピソードを募ったとのことです。
震災前の2007年まで走っていた路線バスを1日限定で運行し、当時と同じルートを回ったほか、かつての町並みを再現した模型展示施設にも立ち寄り、住民たちは自分の家があった場所や子どもの頃の思い出話に花を咲かせました。
バスツアーは一般社団法人長面浦海人や模型復元プロジェクトなどが企画。プロジェクトに携わる東北福祉大3年永沼悠斗さん(25)は、「語り部の話を聞きに来た人たちへの伝え方の幅が広がる」と期待を寄せました。
ARGO編集部のひとこと
写真や模型では再現しきれない震災前の人々の営みなども、ARを活用すれば当時の風景とともに振り返ることができます。災害などで失ってしまった街の記憶を後世へ受け継いでいくツールとして、ARは新たな方法のひとつになりそうです。