ARで卑弥呼の居館を再現!奈良県桜井市が特別史跡・山田寺跡や纒向遺跡の再現動画を制作
AR技術などを活用して卑弥呼の遺跡などを再現する計画が奈良県桜井市で進められています。本計画では、AR動画で遺跡を再現し、特別史跡である山田寺跡や、邪馬台国の有力候補地であり卑弥呼の居館であったと考えられている纒向(まきむく)遺跡などを、現地を訪れた人がAR動画で見ることができるようになります。
出典:桜井市ホームページ
奈良県桜井市の特別史跡・山田寺跡は「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」の構成遺産として2024年の世界遺産登録を目指しています。しかし現在、これらの遺跡には石碑などが建つだけで、どのような建物があったのかという視覚的な情報がありません。そこで今回、ARを使った映像制作が決定しました。
計画では、現地の約10カ所に映像スポットを設けて、観光客がスマートフォンなどの端末を用いて、ARで金堂や講堂、塔など伽藍を見ることができるように整備する予定です。
また、日本最古の首都であった邪馬台国の有力な候補地である纒向遺跡では、中心部で発見された大型建物跡についてのAR映像を制作予定。大型建物は遺跡の中心施設で、女王・卑弥呼の居館だったのではないかと考えられています。
これらの映像の制作費は、地域振興を目的とした企業版ふるさと納税で寄付を受けた資金を活用することになっており、事業が進むことで地域創生につながっていくことが期待されています。
ARGO編集部のひとこと
近年、地域の歴史的建造物などを伝える手段としてAR技術が活用されることが増えています。歴史的建造物の復元には巨額の費用や時間がかかるため、ARで復元することはコスト削減にもなります。こうした取り組みは文化庁発行の「先端技術による文化財活用ハンドブック」でも紹介されており、地方創生や地域活性化の具体的な手段として有効です。