ARで歌舞伎「勧進帳」を体験!「勧進帳ものがたり館」リニューアルオープンでリアルな体感を!
AR(拡張現実)による歌舞伎衣装の試着体験や隈取体験、演目の解説映像が見られる大型シアターの導入など、「勧進帳ものがたり館」(石川県小松市)が2020年7月26日にリニューアルオープンしました。体験企画を充実させることで、歌舞伎になじみの薄い外国人客や若者、子供も楽しめるよう工夫されています。
【「勧進帳ものがたり館」とは】
歌舞伎をより気軽に、身近に楽しめる施設として石川県小松市にオープンしています。「勧進帳」は源義経(源頼朝の弟)が家来の武蔵坊弁慶とともに、命がけで富樫左衛門の守る安宅の関を通ろうとする歌舞伎の十八番ともいえるストーリー。勧進帳ものがたり館はこの安宅の関にあり、館内では勧進帳や歌舞伎の世界に触れることができます。
【AR体験コーナー】
スクリーンの前に立つと、参加者の隈取の顔や歌舞伎の衣装姿がARで映し出され、気軽に歌舞伎を体験することができます。見得のうまさを採点するゲームやキャラクター診断、歌舞伎の代表作紹介もあり、楽しみながら理解を深めることが可能です。
【大型シアター】
2011年の大歌舞伎のダイジェスト映像が放映されています。葛西聖司さん(古典芸能開設者)が十二代目市川團十郎さんが弁慶を演じ、市川海老蔵さんが富樫を演じた本映像の見どころをわかりやすく解説しています。
2019年11月から改修を進めていた同館は、隣接するカフェや売店が入る建物との間に雨の日でもぬれずに行き来できる渡り廊下も新たに造られました。廊下には安宅が北前船の寄港地として栄えた歴史をしのび、北前船の歴史を紹介するパネルもあります。
展示を監修した葛西聖司さんは「数か月ごとに展示を変える。まずは地元の人に何回も来てもらい、全国の方も呼び込める施設にしたい」と語っています。2023年には北陸新幹線が小松に開通する予定で、それを目途に同館一帯の公園整備も進めていくそうです。
ARGO編集部のひとこと
観光におけるARの活用事例は増加しており、島全体がゲームの舞台となる周遊型ゲーム「長島大陸クエスト」や松江城などを再現した観光アプリ『ストリートミュージアム®』、兵庫県西播磨の山城を3DCGで楽しめる「西播磨の山城へGO」など、新しい観光の形として注目を集めています。馴染みのないものでもゲーム感覚で楽しみながら理解を深められ、老若男女問わず紹介したいものの魅力を伝えることができるのがARを活用する利点です。
INFO
「勧進帳ものがたり館」
営業時間:9時~17時 ※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、当面の間は16時まで。
休館日:水曜日(祝日の場合は翌日)・年末年始
入館料:大人 300円(250円)高校生以下150円(100円) 小松市在住の65歳以上は無料
※()内は20名以上の団体料金
石川県小松市安宅町夕140-4