ARグラスで国宝をじっくり鑑賞 「5G で文化財 国宝『聖徳太子絵伝』 AR でたどる聖徳太子の生涯」
5GやARなどを活用した展示イベント「5Gで文化財 国宝『聖徳太子絵伝』ARでたどる聖徳太子の生涯」が2020年9月29日からスタートします。東京国立博物館の法隆寺宝物館で開催される本イベントは、東京国立博物館、文化財活用センター、KDDIの共同研究プロジェクトの第1弾。文化財の保護や今までになかった鑑賞体験を創造するプロジェクトとなっています。
聖徳太子にまるわる国宝『聖徳太子絵伝』は、西暦1069年に描かれた物ということもあり、作品保存の観点から年に1度、1ヶ月ほどの短い期間しか展示ができないうえ、展示ケース越しの鑑賞では、細かい描写を楽しむことができませんでした。
本イベントでは、パネル1つ1つを画像化。館内に設置したKDDIの5G基地局を経由し、MEC(マルチアクセスエッジコンピューティング)サーバと5Gスマートフォンを繋ぎ、1面あたり18億画素という高精細の画像をARグラスとスマートフォンにスピーディに表示させることに成功。 鮮明な画像により、聖徳太子絵伝の細かい描写をじっくりと鑑賞することができます。
「魔法のグラス」と名付けられたARグラスは、軽量かつ広めの視野角が特徴の「NrealLight」。ARグラスでは聖徳太子の生涯をたどる代表的な15のエピソードをアニメーションで楽しめます。 また、5Gスマートフォンを展示パネルにかざすと画像がぴったりと重なり、58のエピソードのなかから鑑賞したいものをタップすると、解説や音声ガイドがスタート。
表示される画像は拡大縮小もOK。5Gによってストレスなく、スムーズな動作が可能ため、展示ケース越しでは細部が見られなかった聖徳太子絵伝をすみずみまでチェックできます。
さらに、コロナ禍ということもあり、自宅で楽しめるコンテンツも用意されています。 会場内をバーチャル体験できるVRコンテンツのほか、ARの聖徳太子絵伝と15のエピソードをモバイル端末で鑑賞することが可能です。
本イベントの開催は2020年9月29日から2020年10月25まで。入館とコンテンツ体験の両方に日時指定券のオンライン予約が必要です。
ARGO編集部のひとこと
作品の保存や警備など観点から、国宝などの文化財は近くで鑑賞できないケースがほとんどでしたが、5GやARグラスによって目の前の展示品と展示品の画像データをリンクすることで、より深く作品を知り、楽しむことができます。ARグラスは展示イベントのほかにも、ショッピングや現場作業支援など、さまざまなシーンで活用されています。