ARで浸水被害を疑似体験できる授業を開始。石川県金沢市の小学校
石川県金沢市は2019年9月からAR技術を用いて、浸水を疑似体験できる出前教室を市内の小学校で開始すると発表しました。市によると、県内の自治体では初めての試みとのことです。
出典:StartHome
浸水を疑似体験できるARアプリ「DisasterScope」は、愛知工科大学工学部の板宮朋基教授が開発。水位が上昇するとどのような被害が出るのかわかりやすく、木材などの漂流物が壁にぶつかって止まる様子がリアルに再現されています。
浸水の表現や漂流物が流れる様子は、共同研究している防災科学技術研究所や岩手大学の協力を得て、シミュレーションした結果に基づき作成。東日本大震災や2018年7月に発生した九州北部豪雨など被災地の映像も参考にしています。
ARアプリは、高性能のスマートフォンをつけた紙製のゴーグルと組み合わせて使用します。大掛かりな装置の設置が必要ないので、地域の防災訓練などで既に導入されています。
スマホとゴーグルは通信会社から借りて行い、9月20日(金)の米泉小学校での授業を皮切りに、10校で計11回で開催予定。反応を見て20年度以降も継続するとのことです。
ARGO編集部のひとこと
いつ発生するか分からない災害に備えるのはなかなか難しいところがあります。ですが、ARによって事前に訓練することで、実際に浸水が起きてもすぐに避難できそうです。ARによる「バーチャル避難訓練」はまだ始まったばかりですが、静岡など各自治体で開催されています。今後の発展に期待したいです。