ARで写真や絵の中の人物が飛び出して歩いてくる!ワシントン大学の研究グループが3Dシステムを開発中
AR対応のヘッドセットデバイスが今後のデジタル界やアート界に重要になってくる可能性があります。
2018年12月、ワシントン大学のCGなどを専門とする研究グループ「GRAIL(Graphics and Imaging Laboratory)」は、論文「Photo Wake-Up: 3D Character Animation from a Single Photo」を発表し、平面に描写された絵や写真の人物を3Dアニメーション化するシステムの高い可能性を示しました。
HoloLensのヘッドセットを装着してこのシステムを利用すると、中心となる人物が3Dアニメーションになって、1枚の写真や絵の中から見ている人の方へと飛び出してきます。ユーザーはアニメーションを様々な方向から見ることに加え、手のジェスチャーで走らせたり止めたりすることが可能です。
アニメーションの人物は動き出すことに加え、座ったりジャンプしたりすることもできるとのこと。同研究グループは、この技術を映画「ハリー・ポッター」に登場する動く肖像画になぞらえており、SFやファンタジーの世界に足を踏み入れたかのような体験を可能にしています。
開発者は「この技術が人々にとって、写真を使って楽しく交流できる新たな方法を可能にするでしょう。また、1枚の写真から最新のヒューマン・モデリング技術への洞察と、バーチャル・アバターを再構築する道筋を提供します」と話しています。
現在、開発段階にあるこのシステム。研究者グループは「影」と「反射」の再現を課題としています。今後、腕や足を組んで座っている様子が適用され、画像のアニメ化の精度がさらに向上すれば、デジタル界やアート界に革新をもたらすシステムになるでしょう。
ARGO編集部のひとこと
論文の発表とともに公開されたデモムービーでは、大ヒットLPのジャケットや日本のアニメキャラクター、歴史的絵画などに描かれた人間の3Dが違和感なく平面を飛び出して走ってくる様子がわかります。今後、AR対応ヘッドセットデバイスが一般に広く普及すれば、こういったゲームや広告などが普通となるのかもしれません。