ARで震災直後の写真や津波の被害状況がわかる「石巻津波伝承ARアプリ」
宮城県石巻市の公益社団法人「3.11みらいサポート」では、2014年から東日本大震災の被災地をめぐる震災伝承プログラム「防災まちあるき」を実施。同プログラムでは、AR技術を使った「石巻津波伝承ARアプリ」(iOS)が活用されています。
「石巻津波伝承ARアプリ」とは、津波による被害状況や石巻市の過去・現在・未来を伝えるアプリです。震災の被害状況や教訓を伝承すべき財産と捉え、行政・専門機関・地域団体・石巻市民の方々の協力を得て開発されました。
同アプリでは、ARで現在の街並みと震災発生直後の街並みを見比べられるほか、カメラ機能を立ち上げると、現在地における当時の浸水実績が表示され、震災でどれほどの高さの津波に見舞われたのかを体感することができます。そのほかにも津波避難看板前で石巻からのメッセージ動画や、萬画館周辺にて漫画家からの石巻への応援メッセージを閲覧することが可能です。
今後は同県東松島市や同県女川町などの周辺地域でも同様の取り組みを広げる予定。同法人のスタッフ・高橋正子さんは「時間が経つにつれて被災時の風景を想像するのが難しくなってきた。実際に現場に立って津波の恐ろしさを実感し、防災に対する意識の向上につなげてほしい」と語りました。
ARGO編集部のひとこと
今年で東日本大震災発生から9年目を迎えます。復興事業により被害の状況がわかりにくくなっているなかで、ARで現在と当時の光景を見比べられるアプリは非常に優れたツールだと感じました。震災の記憶を風化させないためにも、学校教育や防災研修などでの幅広い活用が望まれます。
INFO
ARアプリ「石巻津波伝承AR」
【ストアURL】App Store(iOS)