そうめんがラーメンに?視覚を使って味覚を操作するシステムが登場
2019年3月、奈良先端科学技術大学院大学と電気通信大学を中心とした研究グループは、データの特徴を学習することで実在しないデータを生成したり、存在するデータの特徴に沿って変換できるGAN(generative adversarial network: 敵対的生成ネットワーク)を用いて食品の外観を画像変換し、AR技術を使用して実際の食品に重ね合わせることで、視覚から味覚を錯覚させるリアルタイム味覚操作システムを開発しました。
本システムは、ユーザーのヘッドマウントディスプレイを通じて得られた映像を、リアルタイムで別の食品に変換するというもの。画像という視覚情報を利用し、実際はそうめんを食べているにも関わらずラーメンを食べているような感覚を味わうことができます。

システムの作成には5つの食品カテゴリ(ラーメン、焼きそば、白ご飯、カレーライス、チャーハン)から149,370の画像データが使用されており、他の食品に適応できる複数変換としての特徴も持ち合わせているとのことです。
ARGO編集部のひとこと
本システムが実用化されれば、さまざまな理由で食べ物を制限されている人たちの助けになるかもしれません。ヘッドマウントディスプレイをつけたままでは、複数人で食事する場面には使いづらいかもしれませんが、今後、スマートグラスなどが普及すれば、さらに周りの人と同じように食事をしていると感じられるようになるでしょう。