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AR技術と音響定位技術を活用した新しいエンターテイメントを演出する「空間音響MR」をNECが提供

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日本電気株式会社(以下NEC)は、専用イヤホンやスマートフォンを通じてリアルとバーチャルを融合した空間を演出する「空間音響MR™(Mixed Reality)」サービスを提供しています。

「空間音響MR」は、独自に開発した音源を仮想的に固定する音響定位技術をAR技術と組み合わせ、観光地や各種施設でのサービスに活用。専用のイヤホンを利用すると一定の方向からのみ音が聞こえ、顔の向きなどを変えても音源の位置は変わらず聞こえます。この技術を応用することで受け取り手がシーンをイメージしたり、実際に語りかけてくるような体験ができます。

聞く場所によって音の聞こえ方が変わる音響定位技術

出典:ニュースイッチ

NECは、「空間音響MR(SSMR)」を活用したビジネスを推進するため、プロモーションやコンテンツ制作に強みを持つ企業とSSMRビジネス推進コンソーシアムを立ち上げています。「空間音響MR」を活用したい企業や自治体に対し、エリア開拓からコンテンツの調達・制作、アプリ制作、運営など実施に至るまで、該当領域で強みを持つ企業とマッチングさせることで支援を行います。

「空間音響MR」を活用して作られたサービスの第一弾が、弘法大師空海誕生の地である「善通寺」を案内するアプリ「VoiCineWALK善通寺~心に響く空海の言葉~」です。このアプリはオリジナルキャラクターがAR映像で登場したり、境内にある空海像が語りかけてくるような体感を得ることができます。他にも、音響ARや映像ARを組み合わせてキャラクターの動きを楽しんだり、GPSを活用してエリア内であれば過去のイベントの様子が画面を通して追体験できるなどのAR技術が盛り込まれました。3月末からは商用サービスを開始予定とのこと。

「VoiCineWALK 善通寺~こころに響く空海の言葉~」PR映像

本アプリでは、ARやオリジナルキャラクターを用いたサービスで歴史や文化が表現されています。「空間音響MR」の今後のイメージとしても、擬人化や話しかける演出で観光客が楽しく情報を受け取ることや、アニメやドラマのモデルになった地域での聖地巡礼コンテンツとして作品の世界に入り込む演出などでの活用が想定されています。追加の展示物や設備が不要なため、大掛かりな設備の投資を抑えつつ、集客促進に役立てることができます。

高速・大容量通信が可能な次世代通信規格「5G」を活用すると、同時に出力できる音源が1つから複数に変わるなどよりリッチな演出ができるといいます。2020年度中には47都道府県それぞれで1件以上のサービスが提供される体制が目指されており、5G時代の新しいサービスのユースケースとしても期待できます。

ARGO編集部のひとこと

ARでの音の出し方にこだわった開発事例となります。遠くから聞こえたり、近づくように聞こえたりなど音の鳴り方が変わることで表現の幅が広がり、より臨場感あふれる体験ができるようになっています。音と位置情報、AR技術を組み合わせた事例として他にAudio Spaceや、ムーミンバレーパークの事例が挙げられます。

INFO

関連リンク

  1. 日本電気株式会社 ニュースリリース

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