韓国の敦義門がAR技術を活用し、104年ぶりに復活へ
2018年12月6日、韓国ソウル市はAR技術で敦義門を再現・復元することを発表しました。敦義門は朝鮮時代の漢陽都城の4大門の一つです。
このプロジェクトは文化財庁、宇美建設、第一企画が協力し、文化観光コンテンツとして推進されており、3・1独立運動と大韓民国臨時政府樹立100周年を迎える来年上半期のうちに計画完了を予定しています。
敦義門は1396年に完成した後、数回の修復工事を経て、日本による植民地時代の1915年に道路拡張を理由に強制撤去されました。解放以来、数回の復元が試みられましたが、交通難や補償などの規制のため、再び設置されることはありませんでした。
今回の復元にARが利用されたことにより、そういった問題をクリアすることとなりました。敦義門跡である貞洞(チョンドン)交差点近隣にスマートフォンをかざすと、画面に旧敦義門の姿がそっくり再現されるという仕組みです。文化財庁やソウル市が保有している写真や築造記録を徹底考証し、原型に限りなく近いものを復元することを目標としています。
また、跡地の近くに敦義門をモチーフにした象徴物を設置し、観光客が漢陽都城と敦義門の歴史を体験し共有できるようにするとのことです。
ソウル国立古宮博物館で開かれた「文化財デジタル再現および歴史文化都市活性化」業務協約締結式には、チョン・ジェスク文化財庁長、ユン・ジュンビョン・ソウル市行政1副市長、イ・ソクチュン宇美建設社長、ユ・ジョングン第一企画社長などが参加しました。
イ・ソクチュン宇美建設社長は「漢陽都城の城郭道がより活性化して、今後漢陽都城のユネスコ登載の挑戦に国民の関心を呼び起こしてほしい」と期待を寄せていました。
ARGO編集部のひとこと
現在では元の形を失ってしまった建造物でも、当時の鮮明な写真を活用することで「当時の形で、同じ場所に」ARとして再現できるという事例です。本プロジェクトでは地域振興と遺産登録も目指しており、ARの活躍が特に期待されているようです。