ARで観光資源をポスターから楽しめる!3市町による復興支援ARポスター「ともに見よう。」
AR技術を活用したポスター「ともに見よう。」が、令和2年7月に豪雨災害を受けた熊本県の南小国町、小国町、人吉市の連携により観光復興への取り組みとして作成されました。ARポスターは3市町の特徴的な観光資源や復興に向けた取り組みが映像で再現されたものとなっています。
AR映像を見るには、ARアプリ「SATCH VIEWER」をインストールし、アプリの「今すぐSCAN」を選択し、カメラを起動します。ポスターを読み込むとそれぞれのポスターのARコンテンツが再生されます。
【ARポスター作成経緯】
令和2年7月に起きた豪雨災害により、大きな被害を受けた南小国町、小国町、人吉市では様々な支援で少しずつ復旧作業が進んでいます。一方で、観光業では新型コロナウィルス感染症の影響により厳しい状態が続き、先行きへの不安が広がっています。
こうした状況から、3市町の観光関連団体が中心となって連携し、「共に将来を見ていきたい」「共に風景を見ていただきたい」「お客様と一緒に地域を作っていきたい」といった思いを込めてAR技術を活用したポスターの作成を行いました。ARポスターからは、各地の代表的なイベントが動画で楽しめます。
【各市町村のARポスター】
南小国町のポスター
南小国町のポスターでのAR動画では、黒川温泉の大小の竹の灯籠による湯あかり「毬灯籠」が少しずつ点灯していく様子と空に星が出る様子が楽しめます。
「湯あかり」は、2022年には10周年をむかえる予定の黒川温泉の冬の風物詩です。2021年は復興の灯りとして、黒川温泉だけでなく南小国町全体の温泉地で湯あかりが点灯され、町内全体を周遊できる観光エリアとなります。
小国町のポスター
小国町のARポスターでは、杖立温泉で例年春に実施される「鯉のぼりまつり」の様子が楽しめます。ポスターの白黒の鯉のぼりがだんだん色鮮やかになっていくことで、7月豪雨の影響・被害により時が止まってしまった様子から復旧・復興がすすんでいく様子を表現しています。
「鯉のぼりまつり」は、地域みんなで作業をおこなう小国町杖立温泉の春の風物詩となっていましたが、鯉のぼりを吊るすためのポールを立てる基礎が7月豪雨災害でなくなったことにより、開催が困難となっていました。その後さまざまな支援によって、令和3年はなんとか「鯉のぼりまつり」が開催できそうな状態になっているといいます。
また、杖立温泉の名物である蒸し場(高温の温泉蒸気による蒸し料理ができる、24時間無料で誰でも使用可能な共同の場所)も豪雨被害を受けていましたが復旧作業が進み、2021年2月26日~28日には「セルフで蒸しざんまい」が実施されます。
人吉市のポスター
人吉市では、例年夏に人吉城跡で実施される花火大会がARで再現されています。観光客・地元民の楽しみである花火大会を復興のシンボルに、人吉の夜空を明るく照らす期待が込められました。
また、2021年2月13日(土)~3月20日(土)の期間には希望の「ひかり」として、ひとよしまち燈り「採光」が実施される予定です。豪雨災害から少しずつ日常を取り戻し、2021年2月23日(日)には復興祈願祭も実施されます。
今後の取り組み
豪雨災害をきっかけとして連携の基礎ができた3市町村は、今後も観光地・温泉地同士のつながりを生かした取り組みを続けていきたいとしています。
ARGO編集部のひとこと
災害復興・観光地でのポスターとしてARが採用されています。ポスターからARによる映像が視聴できることで、各地の風景がよりリアルに体験できます。また、本ARコンテンツはスマホ1つで体験が可能です。新型コロナウイルス感染症の影響がある中、非接触で見られるため、衛生面においても安心して体験ができます。災害や事件、事故など当時のことを振り返りつつ、風化させない取り組みとしてARが取り入れられた例には、アメリカ同時多発テロを振り返るアプリ「ReplayAR」が挙げられます。