ARで避難場所がわかりやすい!和歌山県が大規模災害に備えた避難アプリの配信を決定
和歌山県は、ARを導入したスマートフォン向けアプリ「和歌山防災ナビ」を配信することを発表しました。県が独自に避難アプリを作成するのは今回が初めての試みで、南海トラフ巨大地震などの大規模災害が起きた際の避難の手助けとして、和歌山県と和歌山市のIT企業「サイバーリンクス」が共同して開発をおこないました。
アプリのアイコンには防災ヘルメットをかぶった和歌山県のPRキャラクター「きいちゃん」が使用されています。
本アプリでは、AR(拡張現実)を活用した視覚情報で、土地勘のない人にも避難場所が見つけやすく、GPS(全地球無線測位システム)で家族や友人と位置情報を共有することができます。
また、県内のどの市町村にいても現時点の避難情報が自動的にわかる通知機能、平成25年に公表された県独自の津波被害想定を活用したリアルな非難トレーニング機能が盛り込まれました。この機能では、南海トラフ巨大地震発生時を想定し、津波の高さが30センチに達する時間になると、浸水地域の地図がアニメーションで水色にマーキングされたり、避難場所への到着時間の記録を取ったりすることができます。
和歌山県は南海トラフ巨大地震が起きた場合の予想被害として、最大で県内約9万人が死亡し、自宅の倒壊や断水で最大約44万人が避難生活を強いられると想定しています。県内では紀南などの沿岸部を中心に、「津波避難困難地域」(津波到達までに安全な場所への非難が困難とされる地域)に指定されている地域も多く、住民や観光客が迅速かつ的確に避難できるための対策が求められていました。
県防災企画課は「携帯電話会社が基地局を拡充しており、災害時に通話ができなくなっても、データ通信は使える可能性が高い。安全に避難するためにアプリを役立ててほしい」としており、仁坂吉伸知事は「感動的なものができた。さまざまな防災訓練でも使ってて頂けるのではないか」と期待を寄せています。
ARGO編集部のひとこと
「和歌山県防災ナビ」のARナビゲーション機能は、避難訓練時の経路確認など事前の活用ができそうです。また、データ通信を活かして市町村からの情報を素早く受け取り、罹災時、住民たちに的確な行動を促せることも見込まれます。
INFO
アプリ「和歌山県防災ナビ」
【ストアURL】App Store(iOS) / Google play(Android)