ARメガネを活用したハンズフリー介護作業支援システム!KDDI総合研究所と善光会による開発
ARメガネを活用したハンズフリー介護作業支援システムが、株式会社KDDI総合研究所と社会福祉法人善光会によって開発されました。本システムはARメガネを通して入居者の介護関連情報を表示し、音声で情報を読み上げることでハンズフリーの介護作業が可能になるというもので、きめ細やかな介護対応の実現をサポートします。
【ARメガネで詳細情報を把握】
入居者に対して介護施設の職員が適切なケアを実践するためには、入居者の情報を常に把握しておくことが大切になります。人材不足で介護施設の職員1人に対する入居者数が増加する傾向にある介護業界では、ARを活用した利便性の高い情報閲覧システムの需要が高まっていました。
本システムは善光会が開発したスマート介護プラットフォームと、KDDI総合研究所が開発した音声合成技術及び顔認識技術を組み合わせて開発されました。ARメガネに情報を表示し音声で読み上げることで、入居者の情報をいつでもハンズフリーで確認でき、職員がまだ詳細情報を把握しきれていない新規の入居者へも、適切な声がけなどをおこなうことが可能になりました。
【実証実験の実施】
2020年10月13日〜12月18日まで、善光会サンタフェガーデンヒルズにて本システムの実用化に向けた実証実験がおこなわれました。参加した職員6名、入居者20名に対して受容性評価を実施し、ARメガネを活用したハンズフリー型の情報提示方法が介護現場における作業に役立つことが確認されました。
KDDI総合研究所と善光会は、介護職員の負担軽減、介護現場におけるサービスの質・生産性・安全性の向上、そして働きやすい職場環境の実現を目指して取り組みを進めるとのこと。介護におけるAR技術の導入はまだまだ黎明期にありますが、これを機に発展していくことが期待されます。
ARGO編集部のひとこと
AR技術を活用するメリットとして、情報を視覚化することで情報の処理がしやすくなるという点が挙げられます。動作をサポートし作業の効率化や安全性に寄与するAR活用事例として、AR技術を活用したナビゲーション及び車線維持支援システムや操船サポート、土木・建築の作業現場におけるリモート支援などがあります。