ARとAIを導入した船舶監視システムの実証実験を東亜建設工業が開始
東亜建設工業株式会社は、富士通株式会社が開発したAI画像認識技術を利用した船舶監視システムを港湾工事に導入する実証実験に入りました。
東亜建設工業が開発した航行支援システム「ARナビ」は、船舶レーダーとAISと呼ばれる自動船舶識別装置を利用して、船舶操縦者にカメラで撮影した映像上に航路や危険エリア、他船舶情報を拡張現実として重ねて表示し、視覚と音声でわかりやすくナビゲーションをしてきたシステムでこれまでも様々な港湾工事で利用されてきました。
このシステムでは他船舶の動静監視を、大型船ではAIS、小型船では船舶レーターで実施していました。しかし、AISは情報の更新間隔が不規則であり最新情報を入手できなかったり、船舶レーダーは波と小型船の区別がつかないなどの問題がありました。
今回導入されたAI画像船舶認識技術では、高画質の4Kカメラで撮影された船舶の船種を自動認識し、船舶操縦者へ知らせ船舶監視の負担軽減に役立てます。
出典:東亜建設工業株式会社
実証実験では、船舶操縦者に対し高い検知率で識別した他船舶情報を提供できたとのことでした。今後は「ARナビ」とも連携を図り、土運船などの長距離航行や一般航行船舶(特に小型船)が多く航行する現場での航行監視効率化・負担軽減が期待されます。検証を重ね、さらに港湾工事に特化したシステムとして機能を拡張する考えを示しました。
ARGO編集部のひとこと
航路の交通整備や港湾の建設、改良や復旧のために行われる港湾工事に役立てるため、船舶監視システムとしてARやAIが活用されています。航路交通のために航海情報表示システムとしてARが利用されている他例としては商船三井グループの運航する大型原油タンカーにシステムが導入された事例があります。