ARで山陰海岸の魅力を体感!山陰海岸ジオパーク館がスマートグラスを導入
ARを活用して山陰海岸の魅力を解説する取り組みが、兵庫県の新温泉町山陰海岸ジオパーク館でおこなわれています。本取り組みで同館は、頭に装着して利用するスマートグラス(メガネ型情報端末装置)を導入して、ARで目の前の山陰海岸に関する展示に出現するバーチャル館長の解説映像を鑑賞しながら展示を巡るシステムを開始し、山陰海岸の文化や風土などの魅力の発信をおこないます。
ARを活用して地域の魅力を発信
山陰海岸ジオパーク館の谷本勇館長が案内役を務める各市町の動画では、スマートグラスの画面に館長がARで浮かび上がり、山陰海岸地域の地質や地形の特徴を解説してくれます。また、各地のジオパーク専門員らが館長の解説する自然背景をもとに、現代の産業や畜産、漁業などの暮らしにいかにつながっているかをわかりやすく語ってくれます。
山陰海岸ジオパークエリアの地形を縮小したジオラマコーナーでは、ARをジオラマに活用したコンテンツも用意されており、スマートグラスをかけたユーザーがジオラマを眺めると、各市長の旗と名称がARで画面に表示されるほか、動画を鑑賞したい市町へと視線を動かしてカーソルを重ねることで、動画が自動再生されます。
周遊効果や集客力強化を期待
来館者の滞在時間伸長や集客力強化などを目指し、今月からは北前船の寄港地として栄えた諸寄港の歴史の解説動画1本や、鳥取市から京丹後市まで3市3町の「自然と産業・文化と暮らし」をテーマにした紹介動画6本が加わりました。AR動画を鑑賞できるスマートグラスの貸し出しは無料で、小学4年生以上が対象になっています。
新温泉町では2020年10月からスマートグラスによる展示解説を始め、日本海の形成を物語る岩石や日本列島とプレート活動などの関連動画を提供してきたとのこと。AR技術を活用した解説映像と展示のこれまでにない組み合わせに注目が集まっています。
ARGO編集部のひとこと
AR技術を活用することで、従来は文字だけの情報だったものを視覚化することができ、わかりやすく伝えることが可能になるというメリットがあり、最近ではNTTドコモとニトリによるショールームの実証実験や日本科学未来館での実証実験「HYPER LANDSCAPE」などが話題になりました。ほかにもサン電子の現場作業をリモート支援するARスマートグラスが発売されるなど、様々な業界でAR技術やスマートグラスが導入されていることがわかります。