ARが観光事業・地域活性化に大活躍!そのメリットと魅力を、実際の活用事例を交えてご紹介
1.ARはなぜ観光地で活用されるのか?
突然ですが、皆さんは「観光立国(かんこうりっこく)」という言葉をご存知でしょうか。なんとなく知っている方も、もしくはなにそれ美味しいの?(?_?)という方もいるかもしれません。
観光立国とは、
国内の特色ある自然環境、都市光景、美術館・博物館等を整備して国内外の観光客を誘い込み、人々の落とす金を国の経済を支える基盤のひとつにすること。
引用:デジタル大辞泉
という意味だそうです。実は政府は「観光立国推進基本法」という法律を定めていて、今後観光は「本格的な少子高齢化・人口減少を迎える中で、真に我が国の地方創生の切り札、成長戦略の大きな柱となる」と位置づけているんです。国家戦略として観光事業が重要だと考えているんですね…!
この法律をもとに、いまさまざまな政策が進められています。たとえば急増する訪日外国人(インバウンド)対策です。2019年現在、来年開催の東京オリンピックの盛り上がりに伴い、世界各国から多くの外国人が訪れていますよね♪私も駅を歩いていると、よく道を尋ねられてアワアワしています(笑)。
そのインバウンド対策のひとつとして、2019年現在「ARによる訪日外国人旅行者への案内情報の提供に向けて」というガイドラインが作成されています。
はい、ここでようやく出ましたAR~~!!ლ(´ڡ`ლ)
このサイトを見てみると、日本の観光地には「案内標識が少ない」「(訪日外国人が)日本語を理解できないことによる観光地内での移動が困難」などの課題が上がっており、それらの解決策として、低コストでわかりやすい情報提供ができるAR活用が推奨されています。国家レベルでのAR活用が薦められていることもあいまって、数多くの自治体や企業で採用されるようになりました✨
またインバウンド対策のみならず、「観光地の景色や伝統芸能の映像を見てもらい、地域の魅力をアピールしたい」という地方再生・地域活性化にも最適なツールとして認知され始めています。ARは動画や音声、画像など多彩なコンテンツを設定できるため、観光地の魅力発信と親和性が高いです。
国を挙げて行われているAR事業ですが、「ぶっちゃけARを使ってどんなプロモーションができるの(・・?」と思った人も多いはず。
次の項目では、AR活用によるメリットや効果、過去の導入実績をご紹介します。
2.ARを観光事業に取り入れるメリットや効果、実際の活用事例
観光PR・地域活性化におけるAR活用は、おおまかにわけると5通りあります。
1.チラシやポスターで観光地・地域への誘致
チラシやポスターなどにARを設定し、動画や3DCGなどを活かしたプロモーションを行うことができます。風景やヒストリー、おすすめポイントなどのPR動画を見せることで、観光客への理解と興味を深められます。
2.ARスタンプラリー実施による会場の周遊効果
ARスタンプラリーとは、紙のスタンプカードやスタンプを使わず、スマホやタブレットだけでスタンプラリーを開催できるシステムです。イベント会場にARを読み取るマーカー(カメラで認識して使う目印)をいくつか設置し、スマホをかざすことでアプリにARスタンプが記録されます。
ARマーカーを各所に設定することで、会場の回遊対策や滞在時間の増加などの効果が見込めます。またARマーカーを設定するだけで実施できるので、省スペースでの開催や人件費削減なども可能。コストダウンを図りつつ、円滑なイベント運営が見込めます。
3.商店街の地域活性化イベントでARを活用
商店街全体や、特定のテーマに沿った(例:バル、カフェ、スポーツなど)協賛店でのイベントで、ARを活用できます。商店街のガイドマップにARを設定することで、お店や店員の雰囲気が分かり、観光客の集客と消費促進を促せます。
4.ツアー×ご当地キャラクターと写真撮影
ARフォトフレームを用いて、ゆるキャラやその土地に縁のあるキャラクターと写真撮影が行えます。かわいいキャラクターとの撮影により、観光客の満足度向上を狙えるほか、SNS投稿によるイベントの拡散効果などが期待できます。またアクセスログの解析も行えるため、イベントの効果測定としても役立ちます。
5.ご当地カード&絵葉書×AR動画
観光絵はがきやご当地カードにARを設定することで、観光地に関連したAR動画を閲覧できます。動画はいつでも再生でき、第三者との思い出共有を通して、観光誘致を行えるなどのメリットがあります。またARコンテンツは簡単に差し替えられるため、季節に合わせてコンテンツを変更することも可能。リピーター観光客の育成を図れます。
実際の活用事例については、下記の記事に詳しくまとめてあるのでぜひチェックしてみてください(^^♪
▽関連リンク
3.まとめ
このようにAR技術を取り入れることによって、効果的な観光プロモーションを行えるのがわかりますよね。
政府主導で行われているAR事業ですが、5G×ARを活用し、東京・渋谷を再開発する・「渋谷エンタメテック推進プロジェクト」や大阪の夜の街を盛り上げる「道頓堀ナイトカルチャー創造協議会」 など、なんと区が民間企業と協業したプロジェクトも始まっています(゚д゚)!
なお、今後の観光事業について「観光ビジョン実現プログラム2019」を参照すると、2020年には訪日外国人旅行者を4000万人、訪日外国人旅行消費額8兆円を目標に掲げているとのこと。とてつもない数字ですよね…!!今後も観光事業におけるAR活用はますます広がっていくことが予想されます。