【関東Part2】日本全国のAR活用事例をまとめてみた④
地域ごとに最新のAR活用事例をまとめたシリーズ記事第4弾です。今回は第3弾のPart1に続き、関東エリアPart2(埼玉、東京、神奈川)のAR事例をご紹介します。
もくじ
【期間限定】
サウンドウォークでムーミンの物語を追体験!音声ARを導入した「ムーミンバレーパーク」
制服をARで試着できる!「2020年度版 埼玉県公立高校紹介」
ARを使った新感覚スポーツイベント「AR×まちめぐりFUNJOG in 渋谷」
よみうりランド、AR水族館を新設!過去イベントにも積極的にARを活用
【常設展】
フードにアート、ファンションにARを活用 次世代ファッションビル「渋谷PARCO」の取り組み
デジタル技術で子どもの感性を育む 次世代テーマパーク「リトルプラネット」
街中でARアートや音声ARを体感! 5G×エンタメで渋谷区を盛り上げるプロジェクトが進行中
こんにちは!ARGO編集部のムラキです。
地域別AR活用事例第4弾の記事をお届けします!
今回取り上げるエリアは…いよいよ【関東】です✨
具体的な地名は、埼玉、東京、神奈川と少ないですが、紹介する活用事例は最多の9つ。むしろ様々に活用されていて絞るのに悩んでしまいました…。ぜひ最後まであますことなくご覧ください。
それでは行ってみましょう~!!
【期間限定】
【終了】サウンドウォークでムーミンの物語を追体験!音声ARを導入した「ムーミンバレーパーク」
2020年1月16日(木)~3月1日(日)までの間、埼玉県・飯能市にある「ムーミンバレーパーク」にて、音声AR技術を用いた「サウンドウォーク~ムーミン谷の冬~」イベントが行われました。本企画にはソニーの新技術「Sound AR™」が採用され、現実世界に仮想世界の音が混ざり合う音声ARが体験できます。
「サウンドウォーク~ムーミン谷の冬~」とは、小説「ムーミン谷の冬」を体験できるサウンドアトラクションです。ガイド端末と専用イヤホンをつけて園内を歩き回ると、ムーミンと仲間たちの話し声や足音が聴こえてきます。パーク内を歩くと自動でストーリーが進むため、まるで物語に入り込んだかのような感覚を味わえます。
本企画にあわせて、キャラクターと写真が撮れるARフォトフレームも展開されました。フォトフレームは全6種類あり、撮影したAR写真はサウンドウォーク体験後にダウンロードできるとのことです。
映像のイメージが強いARですが、近年は本事例をはじめ、音声ARを活用した事例が増えてきています。展示物の前に移動するだけで音声が流れるため、来場者に没入度の高い展示体験を提供できるほか、ユーザーの行動履歴(滞在時間や行動ルート)も把握できるので、データをもとにした最適な展示ルートも作成可能です。美術館や博物館、観光地での新しい音声ガイダンスとしての活用が見込まれています。
ARGO:園内の情景に合わせたサウンドが聞こえてくる!ムーミンバレーパークでSound AR体験
【2022年度版で継続】制服をARで試着できる!「2020年度版 埼玉県公立高校紹介」
関東図書株式会社が発行する「2020年度版 埼玉県公立高校紹介」(B5判/¥1,018円+税)の書籍にARが導入されています。
出典:関東図書株式会社
埼玉県内の全日制・定時制・通信制高校を紹介している同書は、学科や部活動、入学者選抜についての内容がまとめられています。また各学校の制服一覧もあり、ARを使った着せ替え体験が可能です。専用アプリ「COCOAR」をインストールし、各学校の制服写真画像にスマホをかざすと制服が出現。画面越しに制服の試着が行えます。
2019年に学生服メーカーがアンケートを実施したところ、女子高校生の約47.7%が「高校進学の際、制服が影響した」と回答しました。進学時に制服をかなり重要視していることがうかがえ、AR試着はそんな生徒たちのニーズに沿った優れた企画だといえるでしょう。2019年から行われた本企画は好評を博し、2020年度版でも継続して取り入れられています。
ARGO:ARで制服の試着体験ができる!『2020年度版 埼玉県公立高校紹介』が発売
【終了】ARを使った新感覚スポーツイベント「AR×まちめぐりFUNJOG in 渋谷」
2019年11月16日(土)、スーパースポーツゼビオ渋谷公園通り店にて街を散策しながら楽しむロゲイニングイベント「AR×まちめぐりFUNJOG in 渋谷」が開催。本イベントではARを取り入れた写真撮影が行われました。
FUNJOGとは地図をもとにチェックポイントをチームで回り、制限時間内に獲得した点数を競うナビゲーションスポーツです。チェックポイントの通過証明として、ARフォトフレームを採用。「COCOAR」を使った通常のAR撮影に加え、出現するARフォトフレームによってイベント後の抽選会でプレゼントがもらえる「あたり」企画が展開されました。
企画担当者はARを取り入れた理由について「ARでゲーム性、エンターテイメント性を高め、初心者も楽しめる仕組みづくりをしたかった」とのこと。同社は今後テーマや企画を変えて、ARを組み合わせたイベントを開くとしています。
※2019年11月取材時点。2020年3月現在、新型コロナウイルス感染症の影響によりイベントは中止されています。
ARGO:新感覚スポーツイベント「AR×まちめぐりFUNJOG in 渋谷」に参加してみた
【未完成】よみうりランド、AR水族館を新設!過去イベントにも積極的にARを活用
2019年2月6日(水)、東京都稲城市と川崎市にまたがる大型レジャーランド「遊園地よみうりランド」は成長戦略「飛躍」(2019~28年度)を策定し、新規事業のひとつとして、ARを活用した「アート水族館」の建設を発表しました。
出典:遊園地よみうりランド
新設される「アート水族館」は、ひとつひとつの水槽をまるでアート作品のように展示。ARによって観客側にも魚を浮かび上がり、まるで水の世界に入り込んだかのような体験を楽しめます。東京西部地区で唯一となる大型水族館として建設される予定です。
同社は過去にも「HiGH&LOW THE WORST」の世界観を再現したイベント「Road to HiGH&LOW THE WORST in YOMIURILAND」にて、出演キャストと写真が撮れるARフォトブースの設置や、Vtuberとのコラボイベント「Vtuber Land」でAR撮影会を行うなどARを取り入れた企画を数多く行っています。今後実施予定の「SUMMER WARS EXPERIENCE PARK inよみうりランド」ではARスタンプラリーが開催される見込みです。
ARGO:ARを活用した「アート水族館」や「エンタメ植物園」建設!『スーパー遊園地』に向けたよみうりランドの取り組みとは
【常設展】
フードにアート、ファンションにARを活用 次世代ファッションビルの渋谷PARCOの取り組み
2019年11月22日(金)にオープンした東京都渋谷区の大型商業施設「渋谷PARCO」。「次世代ファッションビル」を掲げる同館では、AR/VR技術やデジタルサイネージなどの最新テクノロジー技術を導入しています。
出典:渋谷PARCO
地下1階にある「ティフォニウム・カフェ」ではARとスイーツを組み合わせたパフェを提供しています。店内にあるタブレットでパフェを映すと、キュートなキャラクターが画面上に登場し、パフェタイムを華やかに彩ります。5階の吹き抜けでは常設展示としてARアート「Worlds end supernova」を展開。吹き抜けを巨大な水槽や秘密の実験室に見立て、7つの箱庭世界をARアプリ「STYLY」を用いて閲覧できます。
そのほかにも眼鏡をかけたまま試着できるJIN渋谷パルコ店のARサービス「MEGANE on MEGANE(メガネオンメガネ)」などフードやアート、ファッションなどさまざまなジャンルで活用されています。
ARGO:最新デジタルテクノロジーが集結!渋谷PARCOで活用されているAR/VRをまとめてみた
デジタル技術で子どもの感性を育む 次世代テーマパーク「リトルプラネット」
出典:リトルプラネット
株式会社プレースホルダが運営する次世代テーマパーク「リトルプラネット」は、ARやプロジェクションマッピングを利用したアトラクションを設置しています。
リトルプラネットとは、最新のデジタル技術を用いて子どもたちの探究心や想像力を刺激する体験型知育施設です。2020年3月現在、首都圏を中心に全国で9つの常設パークを展開しています。
同施設には砂場と映像を組み合わせたAR砂遊び「SAND PARTY!」があり、砂場の形状によって、魚が泳ぐ海やマグマが吹き出す火山へと変化します。さらにAR機能がついた虫眼鏡やステッキを使用すると、虫眼鏡に生き物の名前が表示されたり、宝箱が開いたりするなどのインタラクティブ性に富んだ遊びが楽しめるとのこと。
子どもたちに人気の砂遊びですが、近年外遊びの減少や砂場のばい菌、動物の糞尿、公園の老朽化など衛生面の問題がありました。そこでみんなが安心・安全に楽しめる「AR砂場」を同社で開発。AR砂遊びにより、子どもの創造力や巧緻(こうち)性、人間関係形成力、探究心を育むとしています。
ARGO:プレースホルダ、ARを使った体験型知育施設の出店を拡大
街中でARアートや音声ARを体感!5G×エンタメで渋谷区を盛り上げるプロジェクトが進行中
出典:ケータイWatch
2019年9月からKDDI株式会社、一般財団法人渋谷区観光協会、一般社団法人渋谷未来デザインによる三社共同プロジェクト「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」が開始されています。5G×エンタメで渋谷の魅力を発見・発信していくというもので、プロジェクトの実施にあたりAR技術が活用されています。
5G×ARを活用したコンテンツとしては、XRを利用したアート展「INVISIBLE ART IN PUBLIC」や音声ARを活かした「SHIBUYA MUSIC SCRAMBLE」、「Coldplay × Shibuya Audio Scape by au」、また渋谷PARCOとコラボしたARアート「-AKIRA ART OF WALL – INVISIBLE ART IN PUBLIC-」などが展開されています。
なかでもVol.2が実施された「INVISIBLE ART IN PUBLIC」では、渋谷の各所に設置されたQRマーカーを読み取ると、タブレットやスマホの画面に次々とデジタルアートが出現。5G×XRによって、街全体を美術館に変えるという試みが行われました。本企画を通して、渋谷区が課題とする「回遊性の向上」を目指したとのことです。
ARGO:【2020年】リリース予定・注目されているARの最新コンテンツをまとめてみた
満足度平均9.00を獲得!スマホを使って汗をかくARゲーム「HoloBreak」
2019年9月7日(土)・8日(日)、Graffity株式会社は横浜駅直通の複合型体験エンターテインメントビル「アソビル」にて、ARシューティングバトル「HoloBreak」(通称、ホロブレ)の体験イベントを開催しました。
ホロブレとは2対2で戦うARシューティングバトルです。プレイヤーはスマホを片手に、フィールド(8m×5m)を動き回りながら、相手チームとバトルを繰り広げます。最大4人まで同時プレイ可能。フィールドを動きながら遊べるため、従来のスマホゲームと異なる「リアルに汗をかく」感覚を楽しめます。2日間にわたって行われた本イベントでは、総勢100名以上がプレイし、満足度平均9.00を獲得しました。
出典:Graffity株式会社
近年、ARと位置情報組み合わせたアプリ『Pokémon GO』をはじめ、ARを活用したゲームが増えてきています。現実世界にゲーム空間やキャラクターが現れるため、没入感や臨場感を感じられるのが特徴です。今後5Gとの連携によってARゲームの表現性が広がることから、次世代ゲームのひとつとして注目を集めています。
ARGO:Graffity株式会社が新しいARシューティングバトルを開発!2019年9月7,8日に横浜で体験できる
多摩区の名所を回るAR企画が大人気!好評により2年連続で実施
2019年6月15日から神奈川県登戸~向ヶ丘遊園周辺にて、「たまくdeAR!~登戸・向ヶ丘遊園地区を巡ろう~」が開催されました。本イベントにてAR技術を使った街巡りが催されています。
本企画ではまちと生田緑地、岡本太郎美術館、日本民家園、かわさき宙と緑の科学館などの区内9ヶ所にARスポットを設置。スマホでARスポット内にあるQRコードをスキャンすると、動画やフォトフレームなどのARコンテンツを楽しめます。企画実施から約半年で5135件のアクセスがあったため、2020年度も継続して展開されています。
このように街の名所にAR(QR)マーカーを設置し、スポット巡りを企画することで、希望エリアの回遊を促せます。またARには動画や音声、フォトフレームやスタンプラリーなどさまざまなコンテンツを設定できるため、各スポットに応じた最適なコンテンツを表示可能です。
ARGO:半年でアクセス数5000件以上!高い反響を受け、多摩川区のARイベントの延長が決定
終わりに
地域別AR活用事例第6弾いかがでしたでしょうか。
制服のAR試着やARスポーツ、AR砂遊びにゲームといろいろな活用方法がありましたね。個人的には今後建造されるというAR水族館が非常に気になります…!!よみうりランドが描く未来の遊園地が楽しみです(^o^)
そして何よりも見逃せないのが、次世代通信規格「5G」のスタートです。すでにNTTドコモとソフトバンクが3月下旬から本格運用をおこなうと発表しています。5Gと親和性が高いARがどのように活用されていくのか、先程ご紹介した「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」のような世界が広がっていくのか、今後のサービス展開に期待したいと思います。
日進月歩の進化をとげるAR。また1~2年後に最新の地域別活用事例を作成するのもいいかもしれません。
それではまた!