ARで「観光・旅」が楽しく、快適に変わる!旅行中に活用できるAR10選
こんにちは!ARGO編集部のウエダです。
今回は、旅行をテーマに「旅行中に活用できるAR」を紹介していきたいと思います。
近年、国内外の旅行者数は年々増加しており、日本のインバウンド客数は2018年には推計約3200万人となり、はじめて3000万人を超えました。 また、国内旅行の消費額も21兆円の規模を持続しており、大きな市場を維持しています。
そのようななか旅行業界では、2018年6月の民泊の解禁や、2020年の東京オリンピックに向けたインバウンド需要の拡大など、流動する消費のなかで求められるサービスも多様化しており、ARが活用される場面も増えてきています。
それでは、旅行のさまざまなシーンでARがどのように活用されているのか見ていきましょう。
まずはガイドブックで情報収集
AR動画やマップ情報が見られるガイドブック
海外旅行のガイドブックで有名な「地球の歩き方」ですが、この「地球の歩き方」を刊行しているダイヤモンド・ビッグ社では、AR機能が活用された出版物を数多く刊行しています。
「今、こんな旅がしてみたい!」では、ページ番号横に★印のあるページに、ARアプリをインストールしたスマートフォンをかざすと、ハワイ州観光親善大使でモデルの石田ニコル氏が登場するオリジナル動画を視聴でき、旅への気持ちが高まります。
また、住所が掲載されているお店やホテルの記事をARアプリで読み取ると、地図アプリが起動し、マップ上に店舗の場所が表示されるので、旅行先を訪れた時の位置関係をあらかじめマーキングできて便利です。このようなナビゲーション機能は、香港、沖縄 、ニューヨーク のガイドブックでも採用されています。
ガイドブックに掲載している店舗などのARコンテンツは、掲載情報が古くなったときに、更新できることも利点の一つとなっています。
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電車の移動中に触れられるARサービス
列車の窓を使用したARによる情報表示
2019年1月25日、九州旅客鉄道株式会社(JR九州)と株式会社NTTドコモが開発を発表した新たな鉄道旅行サービスは「列車の窓」を利用するものです。
このサービスは、AR技術により「列車の窓」を情報表示のプラットフォームとして活用し、風景に合わせた観光情報を車窓にリアルタイムで表示するというもので、2020年の実用化が目標とされています。
乗客はARで表示されたウィンドウモニターをタッチや声を使って操作することで、目的地までの観光ガイドなど必要な情報を入手できるほか、自身のスマートフォンやタブレット端末と連携して利用することも可能です。
このようなARの施策は、鉄道旅行の満足度向上はもちろん、沿線地域の活性化や社会課題の解決、観光資源の活用やインバウンド集客など、さまざまな視点から期待されるプラットフォームになっています。
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車内広告のAR動画で町歩きや歴史を紹介
伊豆急行株式会社は、2100系「リゾート21黒船電車」のリニューアルで、ARを利用した動画広告を採用しました。
今回のリニューアルでは、鉄道車両では珍しいARを活用した広告手法が採用されており、旅行客は車内に掲載されているマーカーにARアプリをかざすことで、静岡県下田市の町歩きや、歴史に関する動画を視聴できます。動画は車両ごとにテーマを合わせた4種類を見ることができ、旅行客の期待感を盛りあげます。
装飾のリニューアルでは、先頭と最後尾の車両の外装ロゴを「伊豆急」から「黒船電車」に変更するほか、車内には旅をより楽しくする明るいデザインのポスターを掲載。各車両ボックスシートには、携帯電話やパソコンなどを充電できる電源コンセントとUSBポートも設置されています。
装飾や映像は日本語と英語の2カ国語に対応し、インバウンド需要も見込んでおり、地域経済の活性化にも期待が集まっています。
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現地での周遊に活用されるAR
観光ガイドマップアプリ「モノなび沖縄AR」
沖縄を旅行する際に便利なのが、沖縄都市モノレールの観光ガイドマップアプリ「モノなび沖縄AR」です。
「モノなび沖縄」という沖縄都市モノレールの各駅に置いてあるガイドブックに掲載されているマーカーに、このARアプリをかざすと、主要な観光地の紹介動画やスライドショー、駅の到着メロディなどが再生されます。
このアプリを利用することで、琉球の文化が香るエリアや、ショッピングやグルメが楽しめるエリアなど、各エリアの目的地の予習にもなり、旅の期待感が高まります。また、このアプリは5カ国語に対応しており、近年増加しているインバウンドの需要も見込んでいます。
「モノなび沖縄」はwebサイトもあり、おすすめモデルコースや、無料Wi-Fiスポット、防災情報などを掲載しているので、沖縄旅行の心強い味方になってくれるでしょう。
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岩手県奥州市で、妖怪さがしのARアプリゲームを体験
岩手県奥州市にある奥州藤原氏時代の歴史と文化を伝えるテーマパーク「えさし藤原の郷」は、日本唯一の平安建築群が再現されたテーマパークで、ここではARアプリによる妖怪探しゲームを体験できます。
このARアプリ「えさし藤原の郷~妖怪探し~」では、現実の風景に仮想の画像や動画を付け加えるAR技術が利用されており、スマートフォンのカメラ機能と連動した操作で、平安建築群の風景と歴史にふれながらゲームをプレイすることが可能です。ゲームには、鬼や座敷わらしなどの18体の妖怪が現れ、季節限定でかっぱなどの妖怪も登場します。
現実の風景を活用したARの施策は、訪れた観光客の周遊効果があります。
「みちのくのハリウッド」とも呼ばれ、多くのドラマのロケ地となっている「えさし藤原の郷」では、このARアプリの他にも郷内の観光スポットをナビゲーションするARアプリを配信しており、増加する訪日観光客のために多言語対応をおこなうなど、複合的な集客効果を見込んでいます。
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ハワイの魅力を発見!ハワイ州観光局がARスタンプラリーを実施
ハワイ州観光局では、2019年3月1日からARアプリを利用したARスタンプラリーを実施しています。
このスタンプラリーは、ハワイ州観光局の新プロモーション「発見 ハワイ」の一環で、ARアプリを開いたスマートフォンやタブレットを、オアフ島・ハワイ島に点在する8つの銅像にかざすと、端末上にスタンプを集めることができるというものです。
観光客はスタンプラリーを通じて、ハワイにある大自然、歴史、文化、グルメ、アクティビティ、観光名所や、まだ知られていないハワイの魅力を発見することができ、8つの銅像のうち3つ以上のデジタルスタンプを集めると、すてきな賞品に応募ができます。
ARスタンプラリーの施策は、観光客の周遊率が向上するとともに、現地での予想していなかった出会いや発見のきっかけともなり、相乗効果が期待できます。ハワイ州観光局は、今後も国内外のさまざまな企業との連動施策をおこなっていき、テクノロジーやARを活用したプロモーションを幅広くおこなっていくとしています。
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ARによって進化した道案内サービス
Apple社のマップ機能と連携した「AR City」で道案内
「AR City」はAR・AI開発企業であるBlippar社が開発した、AR技術とコンピュータビジョン技術を組み合わせたアプリで、ユーザーは出張や旅行先で訪れたさまざまな場所に関する情報にモバイルARによってアクセスできます。
このアプリを使えば、建物の名前や行き先を示す矢印などの必要な情報がスマートフォンのカメラ上に表示されるので、地図を読むのが苦手な人でも、現在地や目的地の方向に迷うことがありません。
「AR City」は、iOSに対応したアプリであるため、アップルのマップ機能に対応した地域であればナビゲーション機能を利用することが可能で、世界中の300カ所の都市部で使用できます。
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もう道に迷わない!地下や屋内でも正確に案内するナビ
パナソニック株式会社が、2019年3月より提供を開始した「LinkRay ARナビゲーション」は、ARを利用して目的地までのルートを案内してくれるサービスです。
このサービスは、各事業者が提供しているアプリに組み込むもので、アプリ利用者の正確な位置を測定し、目的地までのルートをスマートフォンの画面上に立体的にAR表示し案内してくれます。
従来、GPS電波の届かない駅構内や地下などの屋内ではスマホ利用者の正確な位置を測定できないという課題がありましたが、このサービスでは、各事業者が起点から目的地までのARルートをあらかじめ設定することにより、リアルタイムの案内表示が可能となっています。
パナソニックはこの施策で、従来から駅や店舗で展開してきた広告サイネージ、スタンプなどのサービスを組み合わせた複合的なマーケティングを実現し、ユーザーの利便性を高めていくとしています。
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その他、旅行で出会うかもしれないAR
シンガポールの国際空港、ランプ業務をARグラスで効率化
シンガポール・チャンギ国際空港では、手荷物や貨物を取り扱うランプ業務を効率化するために、AR技術を活用したM300スマートグラスが使われています。
M300スマートグラスは、Vuzix社が開発した次世代版のARスマートグラスで、このスマートグラスを導入したことで、荷物や貨物の移動場所や搭載方法などをリアルタイムで確認できるようになり、結果として1フライトあたり15分の積載時間の短縮が可能となりました。
このスマートグラスは、アジア・中東の14カ国47空港で機内食ケータリング業務を展開するSATS(シンガポール空港ターミナルサービス)に提供されています。
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VRやARで旅行が試着できる時代に
日本航空は2019年3月26日、VRやAR技術を使って旅を疑似体験できるコンテンツを開発したと発表し、検証実験を進めています。
日本航空がSOOTH株式会社のVR・AR技術を活用して開発した「JAL xR Traveler」は、旅を気軽に試着できるコンテンツです。「JAL xR Traveler」は視覚や聴覚に加え、送風装置や歩行器を活用することで嗅覚、触覚なども刺激し、より没入感のある体験を実現します。
検証実験で体験者は、額と耳部分に脳波計を、頭にはヘッドマウントデバイスを装着し、ハンドデバイスと手をつなぐと、まるで手を引いてもらっているような感覚で、バーチャル旅を体験できます。さらに、測定した脳波をもとに好みの旅を分析することで、体験者に合った旅行プランの提案につなげていくサービスが実現します。
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まとめ
このように旅行の中でARは、想像以上に幅広く活用されています。モバイル端末の普及とAR技術の進化によって、今後も旅行にまつわるARのサービスは、ますます充実していくことが予想されます。旅行の体験と、ARの体験が重なり合うことで、人々の旅行体験も、より便利で楽しいものになっていくでしょう。