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「歴史×AR」は相性がいい?観光地で活用されるAR 9選

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城跡や遺跡などの歴史的名所で、ARコンテンツを活用した施策が広がっています。そこで本記事では、観光や学習の一助として活躍するAR技術について特集しました。 歴史とARが相性が良いとわかる歴史的観光地で活用されているAR事例9例をご紹介します。

ARGO編集部のカツベです。

みなさんは、城址や史跡などの歴史的観光地に行ったとき、このように思ったことはありませんか?「ここにあったのはわかったけど、いったいどんなふうに、どんな大きさのものが建っていたんだろうか」どれだけ説明を聞いても、どれだけ画像を見ても、いまいちピンとこないものですよね。

そんな悩みを解消してくれるのがAR機能です。今回は、主に歴史に関わりの深い「日本の観光地」で、どのようにARが活用されているのか、北から順番に探っていきましょう。

橋野鉄鉱山(岩手県釜石市)

石が積まれた世界文化遺産の「橋野鉄鉱山」。「三番高炉」と「フイゴ座跡」の長細い看板が立てられている

現存する最古の洋式高炉跡で世界文化遺産の「橋野鉄鉱山」にARが採用されています。高炉跡に設置されたの2ヶ所の看板をスマートフォンでかざすと、鉄鉱山全体をドローンで撮影した映像や1860年代当時の製鉄作業の様子、高炉の断面図の解説動画を見ることができます。ARを利用することで、より臨場感が増し、鉄鉱山の正しい理解につなげるために活用されています。

釜石市:橋野鉄鉱山について
ARGO ARニュース: 岩手県が世界遺産「橋野鉄鉱山」を知ってもらうため、ARアプリを開発

えさし藤原の郷(岩手県奥州市)

杯を飲みながらこちらを睨む鬼が描かれた「妖怪探しゲーム」イメージイラスト。ゲームの遊び方のほか、ダウンロード用QRコードも付属

藤原時代の歴史と文化を伝える「えさし藤原の郷」が、ARを導入したイベントを企画しています。専用のアプリ「えさし藤原の郷~妖怪探し~」「えさし藤原の郷~ナビ~」をダウンロードすると、園内で妖怪を探して捕まえたり、園内の案内を見たりすることができます。スマホの中で鬼や座敷わらしといった18種の妖怪たちに出会うことができ、今後は季節限定で河童などの妖怪も登場していく予定ということです。多くの子ども達にえさし藤原の郷を訪れてもらい、歴史に興味を持ってもらおうという試みです。

公式ホームページ:歴史公園えさし藤原の郷
ARGO ARニュース: 奥州藤原の地で「妖怪さがし」。えさし藤原の郷でARゲーム登場

会津若松(福島県会津若松市)

幕末の会津若松にゆかりのある歴史上の人物6人が描かれたイメージイラスト

会津若松市は戊辰150周年の記念事業に、ARを利用した企画を採用しました。アプリ「AR幕末の会津若松」をダウンロードし、会津若松市の鶴ヶ城天守閣、鶴ヶ城本丸、日新館跡、西郷頼母邸跡、飯盛山の5ヶ所のAR撮影スポットでQRコードを読み込むと、幕末当時の街並みや風景をCGで楽しむことができます。会津若松市はARの他にも、天守閣前セレモニーやクイズラリーなどを開催し、市を挙げて観光誘客に取り組んでいこうとしています。

公式ウェブサイト:会津若松市
ARGO ARニュース: 幕末の英雄たちとゆかりの地を巡ろう!戊辰150周年記念事業が本格化

九尾伝説(栃木県那須郡)

「#PROJECT9b」のロゴと和風かつ艶やかに描かれた九尾の妖狐のイラスト。「九尾」に出会うためのアプリの使い方説明も記載

那須地方の伝説「九尾のキツネ」をモチーフに制作されたアニメキャラクターとAR機能を活用して、那須の魅力を発信する「プロジェクト9b(きゅうび)」がおこなわれています。専用アプリで各所に設定されたマーカーを読み込むと、各名所の説明動画を視聴することができます。マーカーは、史跡「殺生石」や那須温泉発祥の地「鹿の湯」、松尾芭蕉が句を詠んだ「遊行柳」といった場所に設置されています。外国語にも対応しており、「様々な人に九尾伝説を伝えたい」という思いからARが使用されました。

公式ウェブサイト:那須に伝わる「九尾狐」から生まれたプロジェクト9b

金シャチ横丁(愛知県名古屋市)

名古屋城下「金シャチ横丁」の様子。古い家屋のような店舗が並び、多くの観光客で賑わう

新たなにぎわいを創出する商業施設として、名古屋城に新たな観光拠点となる「金シャチ横丁」がオープンしました。尾張初代藩主・徳川義直にちなんだ正門横の「義直ゾーン」、七代藩主・宗春にちなんだ東門側の「宗春ゾーン」の二つのエリアから構成されており、飲食や物販を合わせた19店舗が展開されています。両ゾーンには、壁面に描かれた15個の絵巻イラストがあり、このイラストを専用アプリをダウンロードしたスマートフォンでかざすと、名古屋城や尾張徳川家に関連した豆知識の音声と字幕を視聴することができます。

公式ウェブサイト:金シャチ横丁-Kinshachi Yokocho-
ARGO ARニュース: 名古屋城に「金シャチ横丁」がオープン。新たな観光拠点として魅力を発信

しだみ古墳群(愛知県名古屋市)

「歴史の里 しだみ古墳群」横からの撮影であり、台形状に土が盛られている

歴史の里・しだみ古墳群が、スマートフォン・タブレット端末向けアプリケーション「GO!GO!しだみ古墳群」にARを採用しています。古墳マップで最適なコースや解説・見どころを読むことができる他、しだみ古墳群にあるさまざまな種類の古墳の築造当時の姿や、1300年前の風景をARやVRで楽しむことができます。また、自分の足で古墳群を巡りながらオリジナルストーリーのロールプレイングゲームができるリアルRPG「しだみクエスト」など、誰もが楽しめる機能があります。楽しみながら歴史に触れてほしいという意図からARが採用されています。

公式ウェブサイト:歴史の里 しだみ古墳群
ARGO ARニュース: 古墳を巡りながらロールプレイングゲームができる!名古屋で遊びながら歴史を勉強しよう

大原三千院(京都府京都市)

三千院内、木漏れ日のなか寝そべる「わらべ地蔵さん」の様子

京都市左京区大原にある天台宗寺院の三千院が、スマートフォン・タブレット向けアプリ「大原三千院スマートナビ」にARを採用しています。パンフレットやポスターなどに印刷されたARマーカーや写真をスキャンすると、最も大切な法要である「御懺法講(おせんぼうこう)」の様子をいつでも閲覧することができます。

ARGO ARニュース: 古寺・三千院が公式アプリをリリース。楽しい歴史散策に出かけよう。

伏見(京都府京都市)

「おやかまっさん 京都伏見お楽しみアプリ」のロゴと、銃を持つ坂本龍馬風のミニキャラクター

京都市の石材店経営者たちが京都市伏見区の歴史や酒蔵の魅力を伝えるために、AR技術を使用したスマートフォン向けアプリ「おやかまっさん」を開発しました。6種類のコースを同アプリを起動して歩くと、石碑や建物の前で3人の専門家が「語り部」として登場し、歴史を解説してくれます。 また、坂本龍馬や沖田総司など10人のキャラクターと、彼らのゆかりの地で限定ツーショット写真が撮影できる機能もあります。

ストアURL:Google Play(Android)※Android版のみ
ARGO ARニュース: 京都・伏見の歴史や酒蔵の魅力を、偉人たちが解説してくれるアプリの配信が開始

延岡城(宮崎県延岡市)、府内城(大分県大分市)

「延岡城アプリ 」を起動すると、CGで再現された城の全体図が画面内に登場

延岡城では、延岡城跡公園のいくつかの所定スポットでアプリを開くと、築城時の延岡城の城壁や石垣の様子を現地の風景に重ね合わせて表示することができ、府内城では城址公園内にある5つの観覧スポットから天守台にカメラを合わせることで、CGで再現された江戸期の天守や櫓などを見ることができます。

読んでも想像しにくい文字資料に変わり、一目で見ることができるAR機能は、重要な参考資料として活躍しています。

特設サイト:続日本100名城 延岡城〜千人殺しの石垣〜
府内城AR:App Store(iOS) / Google Play(Android)

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